幼稚園の入園前から
父の横にぴったりとくっついて、
庭作りをしている父の
お手伝いをするのが普通だった。

父がしゃがんで
土いじりをしていると、
横にしゃがみこんで、

これくらいの石を探してきて、
と頼まれると、探しだしてきては
ハイ、と手渡した。

花壇を作るために大きな石を
組み合わせては、すき間に
小さな石を詰めていたのだ。

今でも思い出すのは、
美しいペールグリーンの
すべすべの石。

綺麗な石だと褒めてくれた。

その石がはめ込まれた
ところを見るのは
とても誇らしかった。

庭はその後、あちこち
手を入れたので、
今はどこにあるのだろう。
探してみよう。

いつも私の小さな手を
大きな手で包み込んで
手を繋いでお散歩しながら、
色々なお花を見せてくれた。

毎日の日課のお散歩を
私はどう感じていたのだろう。

次から次へと指差された花たちを
きっと夢中で見ていたに違いない。

小さな子にとって
外の世界を体験することは
勇気がいること。

父の大きな手が繋がって
いたから、きっと
楽しい冒険旅行だったに違いない。


とてもとても大切な思い出。

DSC_0736


「神様との約束」という映画。
赤ちゃんは、おかあさんを
選んで産まれてくるという。

感動しつつも、
おとうさんは出てこない。


父は気難しい人でもあった。
愛されていない、
嫌われているのだと
感じる事もあり、

父との関係性では
長く辛い時期もあった。

けれど、この思い出が、
心の奥で私を支えていて
くれていたのだと思う。


だが、ひょんな事から、
私の誕生が、父の大きな癒しで
あったことを知ることができた 。

涙が止まらなかった。
産まれて来て良かったのだ、
そう心から思えた。

不思議なことに、
それを聞いた次の朝、

目覚めた瞬間、
全く違う世界に目覚めた、
という感覚を覚えた。

安堵感と穏やかさ。
どこか、懐かしい世界だった。


こうして、小さな頃から
土いじりをしていたので
昆虫も大好き。

ダンゴムシや蟻や
みつ蜂やカミキリ虫や
トンボや蝉。

お花を育てるのも
枝の剪定も植え替えも、

麦ワラ被って、首にタオル巻いて
剪定鋏を持つと、
一日があっという間♪

夢中になれることがあるしあわせ。

父が私に教えてくれた
しあわせな時間。


春を待つ冬の枝の芽も、
太陽の光をいっぱいに
受け止めてきらきら光る
緑の葉も、
みんなみんな美しい。


きっと、人は何かを目に
するとき、自分の持っている
ストーリーを通して、色々な
想いを感じているのだと思う。